動画編集者の仕事内容
動画編集者の仕事とは、ビデオカメラなどで撮影した動画・映像をパソコンの編集ソフトやせ用機材に取り込み、映像を加工したり他の映像と繋ぎ合わせたりする業務です。
完成した動画は、映画やドラマ、地上波で流すCM、ネット上にアップする広告動画など、その使用用途は多岐にわたります。
動画編集者の仕事内容は、動画編集のみを任せられることもあれば、クライアントとミーティングをしての企画立案・アイデア提供などをお願いされることも少なくありません。
クライアントの納得できる動画を完成させて、それを納品したら業務は完了します。
動画編集のやりがいや魅力
動画編集に興味あるけれど、大変そうな仕事なのでは、と思い込んでいる人もいるでしょう。
動画編集も趣味でやるならともかく、仕事になると当然大変な面もあります。
しかし、動画編集は他の仕事では味わえない魅力もあるのです。
動画編集におけるやりがいや魅力とはいったい何か、次よりその魅力の代表例を6つ紹介しましょう。
1.映像を通じて、自分の感性やメッセージを表現できる
映像作家に限らず、何かしらクリエイティブな仕事を行っている人は、普段の生活では口下手で自分の意見を円滑に伝えるのが苦手な人が少なくありません。
自分が思っていることを口頭や文章で言語化できる人ならともかく、そのようなことが得意でない人は、自分が思っていることをうまく伝えられず困るケースもあるでしょう。
そのような人も、映像という分野を使いこなせば、自分の思いを映像で表現して可視化させることが可能です。
言葉で言いづらい、言葉で伝えてもいまいち伝わりづらいことでも、映像で表現すれば言葉よりも雄弁に自分の思いを伝えられるでしょう。
2.自分が作った映像で人に感動を与えることができる
クリエイティブな作品を作るスキルがあれば、自分を表現できるだけでなく、それを観た他者の心を動かすこともできます。
コロナ禍や大規模な震災などが起きると「エンターテイメントは役に立たないのではないか」という論議によく発展します。
確かにエンターテイメントの分野は具体的な救済の効果はありません。
そのようなものの制作に時間をかけるよりも、ボランティア活動をしていたほうがよっぽど具体的な成果が出るといった正論もあります。
しかし、映像を始めとしたクリエイティブ作品は、人の心を動かす作用があり、数々の作品によって勇気をもらったという人も少なくありません。
自分が生み出したものによって、人の心を動かし喜んでもらえるといった手ごたえが味わえるのも、映像編集の仕事の醍醐味といえるでしょう。
3.他にはない自分の作品が残せる
他にはない自分だけの作品を生み出せるのも、映像編集の仕事の魅力です。
一般的な社会人は、自分の我欲だけを押し通すと調和が乱れるので、常に妥協して他者と歩調を合わせるのが美徳とされています。
しかし映像などのクリエイティブな分野は自分の思ったことをダイレクトに表現できる作業です。
もちろん、自分の考えだけでなく、クライアントや他の人の要望を取り入れて、それに見合う作品を作る必要があります。
それでも、他の分野に比べると、のびのびと自分の感性を反映させることが可能です。
この点が、映像編集の魅力といえるでしょう。
4.稼ぐためのスキルが身につく
映像編集・動画制作は、簡易的なものであればスマホ1つで簡単に作業できます。
ただし、それが売り物になるくらい価値のある商品として認知されるには、高品質な動画を作り出すための、さまざまなスキルをマスターしなくてはいけません。
また、どのクライアントも同じような要望ではなく、クライアントによって希望する動画広告は異なります。
クライアントのタイプに合わせて柔軟な対応をするためには、さまざまなスキルを駆使してクライアントの条件を満たす作品に仕上げる必要があるのです。
それによって動画を趣味でやっているような一般人とは違う、ハイレベルなスキルをマスターして、誰にもできない高品質な作品を作り出せるでしょう。
動画編集に関する仕事は、他の職種のように特別な国家資格などは必要ありません。
しかし、さまざまなスキルを取得しておけば、他の動画編集者より多くの仕事を受注することが可能です。
5.仕事の可能性が広がる
動画編集者は、純粋に動画編集のみを専門に請け負う職人気質の人もいますが、それだけではありません。
動画編集に関する仕事の幅を広げたい場合、営業やディレクションも覚える必要があります。
営業やディレクションは、交渉術や管理スキルなども必須となるので、それをある程度こなせるようになれば、動画編集・映像作成以外の業種もできるようになるでしょう。
ビジネス面だけでなく、人間としても成長できます。
6.趣味と実益を兼ねることができる
趣味が高じてそれがそのまま仕事になるというケースがありますが、動画編集の仕事はそれが特に起こりやすい作業です。
特に若い人の場合、子どもの時から手元にスマホやタブレットがあり、簡易的な動画編集を覚えるといったパターンは珍しくないでしょう。
また、若いうちは新しい情報の吸収力も早いので、ただ趣味でやっていた動画編集を続けるうちに、気が付いたら高度なスキルを取得していた、といったケースもあります。
昔の若い人が職人に弟子入りして何年もかけて高度な技術を身につけたように、動画編集も子どものうちから何年もかけてスキルを身につけることが可能なのです。
動画編集が向いている人の特徴
広告などで多くの需要がある動画編集の仕事ですが、すべての人が動画編集に向いているとは限りません。
需要があり仕事に困ることがないというイメージがあるので、動画編集の仕事に興味があるという人もいるでしょうが、本当に自分に適した仕事であるか、事前に検討する必要があります。
では、動画編集に向いているのはどのような人なのか、次よりその人の特徴を4つ紹介しましょう。
1.ものづくりが好き
クリエイティブな作業が好きで何かを生み出すことが得意な人は、動画編集の素質があるといっていいでしょう。
動画編集は手がける案件によっては徹夜作業が続く場合もあるので、体力も重要です。しかし体力に自信がある人が長続きするとは限りません。
何よりも、クリエイティブな作業が昔から好きで、何もないところから何かを生み出すことが得意な人こそ、この仕事は向いているといえるでしょう。
クリエイティブな作業が好きで、その作業に没頭してしまって気が付いたら何時間も経過していた、という人は、動画編集者の仕事をおすすめします。
2.動画サイトが好き
YouTubeを始めとした動画投稿サイト、TikTokやインスタグラムのリール機能で、あらゆる動画を観るのが好きな人も、動画編集者に向いています。
動画鑑賞が好きな人は、動画に関するその時々の流行を理解しています。
そして、動画サイトを観ているとあらゆる動画広告も目にするので、広告に関する知識や流行も自然に頭に入るでしょう。
いざ、自分が動画の作り手にまわったとき、動画鑑賞でつちかった知識が役立ちます。
どんな感じの広告が主流で受けがいいのか、どんな動画が再生数を稼げるのかといった知識を、クライアントの提示する希望に沿った動画がつくれるでしょう。
また、あらゆる動画を観ていると、その動画から発せられる情報も自然と蓄積されます。そのような情報も動画作成のアイデアに行き詰まった時、新たなアイデアが思いつくきっかけになります。
3.地道な作業が得意な人
動画編集・映像制作で出来上がった動画が、美しくて派手なものであっても、そこにたどり着くまでには、地道な作業が必要です。
動画編集は、基本的にパソコンに向かい続ける地味な作業なので、そのような作業を何時間もやっても苦痛にならない、むしろ得意という人はこの仕事が向いているといえるでしょう。
逆に、部屋にこもっての地味な作業が苦手で、地味な作業より外に出てさまざまな人と交流する仕事が得意という人は、映像編集の仕事をしても良い仕事はできないかもしれません。
外に出る仕事が良い人は、映像編集より映像に関するさまざまな仕事を総括して、複数の編集者およびクライアントと交渉する、ディレクションの仕事が向いているといえます。
4.映画・音楽・絵画などのカルチャーが好きな人
動画編集・映像制作は、何よりもセンスや感性が問われる仕事です。
事務的に映像を繋ぎ合わせて加工してといった地道な作業であれば、それほどセンスが必要ではないでしょう。
しかし、もっとさまざまな要素を加えてほしいというクライアントの要望があった場合は、事務的な作業だけでは済みません。
感性やセンスを養うには、あらゆるカルチャーに注目して吸収する必要があります。
しかし、そのために今流行りの映像作品だけを観て参考にしても、ただの付け焼き刃になるので、クライアントおよび視聴者は満足しません。
感性・センスを養い発想を柔軟かつ豊かにするには、日頃から多くの映画や音楽、イラストや絵画を観たり聴いたりすることです。
そのようなものが好きな人であれば、日頃から自然にさまざまなカルチャーを吸収して心が豊かになり、映像の分野でも斬新なアイデアが浮かぶことでしょう。
動画編集のスキルを身につける方法
動画編集のスキルを勉強する方法は、主に3つです。次よりその3つの方法について紹介しましょう。
参考書で勉強する
最も安価で学ぶ方法は、市販されている参考書を購入することです。動画制作・編集のノウハウが記載されているので、これだけあれば学べるという人もいるでしょう。
ただし、活字での解説なので、実際にどうやっていいのかわかりにくい場合もあり、また、相談する人がいないというデメリットもあります。
動画教材で勉強する
教材の良い点は、順序を追って体系的にノウハウが学べる点です。
動画に関する教材は参考書とYouTube動画の2通りの教え方になるので、参考書のように活字だけではカバーできない疑問点などが解消されます。
ただし、費用は2〜3万円ほどかかり、参考書に比べると出費がかかるのがデメリットです。
動画編集スクールに通う
編集スクールは費用が数万〜10万円ほどかかり、最も高価な学習法になります。
しかし、講師と教材による講義、動画編集の機材の使用など、最も実用的な学習方法といえるでしょう。
疑問点があったら、専門家である講師陣に直接質問することもできます。
豊富な知識と経験を持った講師との交流は、貴重な情報源です。
また、スクールに通うことによって、同じ志を持った仲間もできます。同じ目標を持った同志ができれば、心強い味方となって勉強もさらにはかどるでしょう。